よくある質問(通学生)期間限定公開
Q:ゼミ所属期間中、留学は可能ですか?
A:はい。例年1名以上が留学をしています。期間によって対応が異なるので相談してください。
Q:大学院の進学は可能ですか?
A:はい。修士課程・博士課程を含め、10名以上が尾澤ゼミに所属しています。
大学院ゼミは、フルタイム学生(通学性)と社会人学生が合同で実施しています(学部は、通学生とeスクール生は別々に実施しています)。大学院では、より一層、異なる立場や価値観を超えた議論を重視しており、越境的に学ぶことができます。
尾澤ゼミでは、eスクールからの大学院進学比率は高いのですが、通学生からの大学院進学は、人間科学部の平均値とほぼ同じか、少し高い程度かと思います。
Q:フィールド活動を重視していますか?
A:はい。高度な探究的な学びや、身体・経験を通した学びの感覚を深めるため、毎年、原則として、体験型・施設一体型の美術館や関連施設のフィールドワークを必須としています。2023年度は、チームラボ かみさまがすまう森(佐賀県武雄市・御船山楽園)や、角川武蔵野ミュージアム(所沢市)をフィールドワークの対象としています。学内でフィールドワークをすることもあります。
Q:ゼミ活動は大変ですか?どんな人が向いていますか?
A:学習者に「大変」と思わせない場のデザインが「学習環境デザイン」の本質だと思いますが、人によって感じ方は違います。オープンゼミで見学をされることを強くお勧めします。
尾澤が担当している授業と同様に、グループ活動(コラボレーション)、研究を通した高度な自己探求・分析(リフレクション)、新しい事柄への挑戦(イノベーション)を求めます。こういった活動を通しての探究を楽しいと思える人が、尾澤ゼミに向いていると考えています。
Q:なぜ質的研究法を用いた卒業研究や修士論文が多いのですか?
尾澤ゼミでは、経験からの学び(リフレクション)に関して、価値観や信念のレベルでの研究を重視しています。また、学習における思考、理解の深化、問題解決の過程など、認知的なプロセスに力点を置いています。
これらの研究は、質問紙調査(アンケート調査)等では捉えにくい部分が多いため、現時点ではインタビュー法や参与・行動観察法を用いた質的研究の比率が高い傾向があります。Zoom等の普及でインタビューがしやすくなったことや、ビデオ等で記録が取りやすくなったことも関係しています。
Q:統計的な学習は必須ですか?
必須ではありませんが、研究テーマによっては学習が必要です。量的な指標を用いる研究の場合、正規分布、標準偏差、相関と因果の違い、仮説検定の考え方、データ分析の基礎(分散分析などデータリテラシーIIで学ぶ範囲)について、必要に応じて取り組む必要があります。
希望する学生は、多変量解析(関連領域では、主成分分析、コレスポンデンス分析、クラスター分析が多く使われます)を用いた研究や、ネットワーク分析などを用いた研究も推奨します。
なお、統計が苦手だから質的研究という発想はお勧めしませんし、その気になれば統計的思考の獲得は難しくはありません。質的研究の方が、修得が難しい部分もあります。
Q:プログラミング学習は必須ですか?
プログラミング的な知識は必須ではありませんが、希望者には必要なアドバイス等をします。
過去、Computer Vision(CV)関連は、いち早く取り組んでおり、機械学習を用いた研究、各種フレームを用いたスマートフォンのアプリ開発などの実績があります。今後の生成AIや映像、音声認識等の技術の発展によって、状況が変わる可能性もありますが、たいていのことは自分で学べる時代ですので、新しい研究方法にもぜひチャレンジしていただきたいと思います。
Q:3Dプリンタが使えると聞いたのですが。
A:はい。3Dプリンタとレーザカッターは、どちらも入門レベルですが、環境を整えています。新型コロナウイルス感染症以前は、3Dプリンタやレーザカッター等を用いたものづくりに関する研究活動も行っていました。2024年度から少しずつ、新しい取り組みを取り入れていく予定です。いずれも希望者が対象です。自分で学ぼうとしない学生には、使いこなせませんのでご注意ください。
Q:他の教育工学系のゼミとの違いは何ですか?
A:オープンゼミや説明会で、皆さんの個別の状況に応じてお答えしています。教員(尾澤)は、認知科学、社会心理学、組織論(マーケティング等の領域を含む)研究に基盤を置いており、以下のような研究を扱っています。詳細は専門ゼミガイドなどを参照し、自身で判断してください。
(以下は、意図的に専門ゼミガイドと表現を変えています。自身で想像を広げてください)
- 企業内の人材育成を目的とした各種支援に関する研究(組織開発支援、リーダシップ開発支援、キャリアデザイン支援)などに関する研究、アセスメント手法の開発
- 価値観や信念の形成に関する研究、とくに価値観や信念の形成の阻害要因に関する研究=認知バイアス等、リフレクションに関わる研究。越境や学際性そのものを問う研究。
- 知識構成型ジグソー法や生産的失敗、協調的な問題解決など、人と人の学び合い(コラボレーション)に関わる研究(ワークショップデザイン、そのための教材開発など)
キーワード的には、「リフレクション」と「コラボレーション」を個人、集団、組織で展開(「イノベーション」の普及)するというイメージです。近年は、どうやったらアクティブラーニング的な学習や、発見的な学習を広げるかという「普及」「展開」にも力を入れています。
Q:生成AI(ChatGPTなど)をゼミで扱いますか?
はい。高度なプロンプトの用い方、背景となる思想も含めて、既に扱っています。リフレクション研究の文脈では、生成AIは自身を映し出す「鏡」として捉えることができますし、コラボレーションの文脈では、壁打ちに付き合ってくれる「他者」としても捉えられます。
生成AIを適切に使えば、ワークショップデザイン、知識構成型など新しい考え方に基づく教材作成(構成主義的、生産的失敗、ジグソー学習法等)、即時のフィードバックやメンタリング等の支援の一部も可能な時代に突入しました。
これらの活用法の検討も含めて人間にしかできない探究、対話、創造(身体、感情、感性や含めた経験デザイン)をこれまで以上に目指し、人と人のコラボレーション、リフレクション、イノベーションのあり方を検討したいと思います。
Q:年間スケジュールを教えてください。
毎年、運用を変えていますが基本的な構造は以下をご参照ください。
春学期の例(専門ゼミ):ライフデザイン発表、指定書籍の購読・発表(各学期2冊程度)、論文講読&グループ発表(週1本程度×10回程度)、研究構想発表、ワークショップ体験(アイディア創造型、集約型)、夏合宿(学部・大学院・eスクール合同)での研究関心発表など(グループ発表)。
グループプロジェクト、フィールドワークやフィールド合宿の企画や運営も、ゼミ活動に含まれます。2023年度は、大学での学びの評価、フィールドワーク活動の評価など、「評価」に着目した活動を多くプロジェクト(ワークショップ型)で取り入れました。
秋学期の例(専門ゼミ):ワークショップデザイン演習(オープンゼミを利用)、論文講読、論文講読&グループ発表(週1本程度×10回)、研究構想発表。グループプロジェクトなど。秋学期は、グループプロジェクトと個人の研究活動が柱となります。
ゼミは、固定的な活動ではなく、参加者間、教員と学生間のやり取りを経ながら、日々変化するダイナミックな場です。上記の回答も、あくまで方針で、メンバーとの議論を経て、変更する場合があります。不明な点は、遠慮なくご質問ください。
よくある質問(eスクール)期間限定公開
Q:倍率が高いと聞きました。
A:いいえ。「倍率が高い」というのは正確な情報ではありません。その代わり、面談時に時間をかけ、事前にできるだけマッチングが図れるように工夫しています。
面談の際は、ゼミに自分を「合わせる」のではなく、自分の考えを率直にお伝えいただければと思います。尾澤ゼミでは、「自分が何をやりたいと思っているか」を重要視しています。また、それに到った「志の強さ」あるいは「熱意」「経験」「感覚」のようなものが重要だと考えています。修士への進学等も、遠慮なくご相談ください。大学院進学の意向と、所属の可否は関係ありません。
Q:スクーリングはありますか?
A:対面でのスクーリングは実施していません。月1回(原則、月末の土曜日の午前中)、Zoomを利用して「オンラインゼミ」を行っています。
ただし、参加必須ではありませんが、例年9月に学部・大学院・eスクール合同の合宿を行っています。また、卒業研究発表会(春学期・秋学期)の際に、対面のイベントを行う場合があります。
オンラインゼミも含めて参加必須としていませんが、可能な限り、オンラインゼミや、対面での催しへの参加を推奨しています。というのも、新型コロナ以降、ChatGPTをはじめとする生成AIの進展以降、これ今で以上に、「身体」「感覚」「感情」「暗黙知」のような事柄や、意識しにくいが当人の意思決定等に影響を与える「場のデザイン」のようものが重要になると考えているからです。
海外在住やアスリート、サービス業の皆さんなど、ご事情がある場合は遠慮なくご相談ください。
Q:大学院に進学に希望をしたいと思います。条件は?通学は必須ですか?
A:大学院はどんなテーマを、どんな方法で実現したいか、によって異なります。大学院では、学会での発表や論文の投稿など、学部とは異なる活動を求めます。詳細はお問い合わせください。
大学院ゼミでは、通学を必須とはしていません。ただし、対面を伴わない場合、研究テーマが制限される場合があります。また研究の段階や、議論の内容によっては、対面での指導が必須となる場合もあります。オンラインを用いた学習機会の拡張の考え方については、以下の記事をご参照ください。
https://yab.yomiuri.co.jp/adv/wol/opinion/COVID-19/20201221.php
ゼミは、固定的な活動ではなく、参加者間、教員と学生間のやり取りを経ながら、日々変化するダイナミックな場です。上記の回答も、あくまで方針で、メンバーとの議論を経て、変更する場合があります。不明な点は、遠慮なくご質問ください。
以上