2017年度ゼミ登録Q&A

研究課題は何ですか?

人の学びをいかに支援するか? そのためにデザインやテクノロジをいかに応用するか?
(キーワード:学習支援、人材育成、リフレクション(内省)、知識創造、イノベーション)

どんな研究を扱っていますか?(通学)

2017年度重点テーマは以下の通りです。「デザイン×学び(学習)」の観点から、よりよい個人、組織(チーム)、社会のあり方を検討します。今期、重視する「問い」は以下の通りです。

(1) 人の「学び」を支援するツールやコンテンツをいかにデザインするか?
人と人とのコラボレーションを通した学びを、いかに促進するかを検討します。ワークショップやグループワークを用いた研修方法の開発や、教育コンテンツの評価方法の開発も含みます。

(2) イノベーションをいかに促進し、普及させるか?
新たな商品、サービス、プロモーションをいかに創造するかを検討します。「情報社会におけるキャリアデザイン」で扱っているような企業の戦略やマーケティングに関する研究なども含みます。

(3) 人の学びのプロセスをテクノロジの力を用いていかに明らかにするか?
近年、テクノロジの発展により、人の学びのプロセスを記録、蓄積することが容易になりました。学習履歴データやセンサーなどを、学習支援にいかに応用するかを検討します。

どんな研究を扱っていますか?(eスクール)

(1) 人の学び(とくに経験からの学び)をいかに支援するか?
集団や組織内での知識創造やコラボレーションをいかに高めるかを検討します。学習科学や組織科学の知見に基づき、人材育成、ワークショップデザイン等を扱います。

(2) 学びの質をいかに高めるか?
自身や他者の学び(資質・技能、スキル)をいかに高めるかを検討します。学びのプロセスに着目しながら、リフレクション(内省)、メンタリング、ポートフォリオ(学習履歴)等の観点から研究を進めます。必要に応じてSNS等のツールやテクノロジを活用します。


どのような指導方針で専門ゼミを進めていますか?(主に通学)

【研究テーマの模索と洗練】研究テーマは、「デザイン×学び」や「テクノロジ×学び」に関係する内容を、自身で選択し、探究します。
本ゼミにおける「学び」(Learning)は広く、授業での経験はもちろん、企業内人材育成や、マーケティングにおける消費者行動も含みます(「学習環境デザイン」や「デザイン論」「情報学」「参与観察法」などの内容と関わります)。
この数年は、「モチベーション」「メンタリング」「ワークショップ」などのテーマを選択する学生が増えました。開発研究では、英語学習の支援のためのアプリや推薦システム開発などをテーマにしています。

【ケーススタディ】春学期は上記と並行して、企業・組織のケーススタディ(事例研究)を行い、その過程で研究方法の基礎を学びます。自身の研究活動と関係する企業研究を行うことで、研究とキャリアの接点を探ることも目的としています。
例えば、セサミストリートを製作するSesame WorkshopとIBM Watson(人工知能)の間で行われている共同研究などを取りあげます(「情報社会におけるキャリアデザイン」の内容や、「教育工学研究法」などの進め方と関係します)。

【その他】ゼミ時間中は、グループワーク、ミニプロジェクト、プレゼンテーションなどの活動を通して、研究を進める上で必要なスキルを身につけます。専門ゼミと卒業研究ゼミを合同で行う場合があります。授業時間外では、夏合宿(eスクールと合同。関東近辺で1泊2日)、海外での合宿を行う予定です。指定科目や推奨科目を受講していない場合は、個別に面談等で対応を検討します。

どのような指導方針で卒業研究を進めていますか?(主に通学)

【全体方針】専門ゼミで検討したテーマを1年かけて、具体的な成果物、形にします。卒業研究テーマは、各自の希望テーマをベースに、ゼミ全体の方針をすり合わせながら決定します。自身でテーマを選択することができますが、なぜそのテーマなのか、誰のための研究なのか、研究を通して何を実現したいのかなどを徹底して考えます。
卒業研究では、成果の可視化(具体的に目に見えるようにすること)、あるいは実践性(実際に試すこと)を重視しています。文献調査やアンケート調査などの手法を用いるだけでなく、何らかの成果物を創造することを期待しています。過去の先輩は、ワークショップのデザインや、各種ツールやプロダクト(作品)のデザインや評価にもチャレンジをしてきました。詳細は、http://www.ozaken.org/ozaken/ をご覧ください。

【スケジュール】研究内容や研究方法によって異なります。調査中心の場合は、遅くても9月までに実施を終えることを目標とします。デザインを中心に行う場合は、プロトタイピング(試行錯誤)を重視しながら、遅くても11月までに完成を目指し、評価をします。

【その他】就職活動は、3年次の夏にインターンに参加するなど計画的に活動を進め、卒業研究に影響を与えないようにしてください。大学院進学を希望する場合は4年(学部2年+修士2年)計画で指導を行います。留学予定者は個別に対応をします。例年1~2名が留学をしています。


指定科目・推奨科目は何ですか?(通学生)

本研究室では、以下の指定科目を定めています。ゼミ選択時には未受講でも構いませんが、3年次には履修済であることが必要です。

指定科目
なぜ当該科目を、指定科目として設定しているかについて簡単に説明します。

情報学(基盤科目)    本ゼミでは、物事をブラックボックス化せずに、仕組みや影響を検討する姿勢を重視しています。「情報学」のミニプロジェクト型学習で学ぶ「探究する姿勢」は、ゼミの基本的な姿勢と共通します。

参与観察法(実調)    学習環境デザインは、「日常からの学び」「経験からの学び」を重視する研究領域です。「参与観察法」や「行動観察法」の手法は、研究の原動力になります。指定科目は「参与観察法」ですが、「行動観察法」の受講でも構いません。研究テーマによっては、インタビュー調査法や質問紙調査法も指定科目の代替となり得ます。

学習環境デザイン    ゼミの内容と最も関わる授業です。学習環境デザインでは、創造的で協調的な学びを支援する方法、ツール、学びの場のデザインに力点を置いています。本授業で重視する「方法論」を学ぶのがゼミ活動だとも言えます。

インストラクショナルデザイン    LearningとInstructionは、「卵とニワトリ」の関係であると私は考えています。優れたインストラクションについて学ぶことは、優れた学習環境の構想について学ぶことにつながるはずです。

デザイン論(人間科学教養科目群)    「学習環境デザイン」における「デザイン」の基本的発想の一つは、デザイン論にあります。問題解決や、新たなアイディア創造の方法論としてのデザインを学ぶことで、自身の研究開発に応用することができます。
研究関心によっては「システム論」の受講も、デザイン論の代替になり得ます。

推奨科目
推奨科目は、いずれも本ゼミの興味関心を深める上で重要な科目です。

教育工学
建築都市デザイン論
アクションリサーチ
教育工学研究法
情報社会におけるキャリアデザイン
教授学習の心理学


その他 これまでに寄せられた質問への回答

研究活動で目指していることは何ですか?

A:理論と共に実践から学び、現場を変える「知」を生み出すことが目標です。とくに重視していることは、「理論」と「実践(現場)」の融合であり、領域を越えたコラボレーションです。

既存の研究領域にとらわれることなく、様々な領域の人たちがコラボレーションできる場を提供することや、「実践(現場)」と「理論」をつなげることで、中長期的に「役に立つ」力を身につけることを目指しています。

尾澤ゼミ基本理念(参考)

  1. 自ら主体的に「問い」を持って、社会的な問題の解決にあたることができる人材の育成
  2. 他者とのコラボレーションを通して、自身のあり方を更新し続けていける人材の育成
  3. 「理論」と「実践」を吟味しながら、実践を変えていくことができる人材の育成

どんな人が向いていますか?

A:本研究室に向いているのは、組織内の活動や大学の授業、社会での「実践的活動」を研究対象としたい学生です。さらに言うならば、何かを変えたいという意思をもっていることが望ましいと考えます。ワークショップや各種研修方法の開発など、自ら「場」をデザイン、作り出していきたいという学生も歓迎します。

向いていないのはどんな人ですか?

A:自ら主体的に「問い」を持てない人、持とうとする努力ができない人。他者とのコラボレーション、協力から学ぶという姿勢を持てない人。先入観や経験にとらわれ、柔軟な視点で物を見ることができない人…などが考えられます。

どんな研究方法を学ぶことができますか?

A:研究の幅を広げるため、全員が観察法(5月)、インタビュー法(6月)、質問紙調査法(7月)、ワークショップデザイン(10月)、実験法(11月)などの研究方法について学びます。方法だけを学ぶのではなく、人材育成、学習支援、マーケティングなどの内容について学びながら、そこで用いられている方法について理解を深めます。

TwitterやFacebookなどのSNS、デジタルペンや各種センサなど新たなデバイスをデータ収集のツールとした研究も歓迎します。 関連する実調(参与観察、行動観察、アンケート調査、インタビュー調査、情報科学研究法、教育工学研究法、ものづくり設計演習など)を受講していない場合は、別途、基礎的な事柄の学習機会を設けます。

ゼミの活動内容を教えてください(通学)

A:学生参加型で行います。基本的には、個人もしくはグループによる発表やワークショップ、ゼミ生同士のディスカッションをベースに進行します。学期に数回、企画立案型のワークショップを実施します。また、外部講師(招へい講師、ゲスト講師)によるワークショップや先端分野の勉強会を実施する場合があります。

テクノロジ(Webデザイン、メディア、システム開発)に疎いのですが、ついていけますか?

A:テクノロジについての学習は必須ではありません。一方、「興味があるのであれば、チャレンジしてみませんか?」というのが私のスタンスです。一見、難しそうに見えるかもしれませんが、だからこそ参入障壁が高そうな領域に、参入する価値があると思います。環境や機会は設けます。ただし、必須ではありません。

留学は可能ですか?英語で卒業論文を書くことは可能ですか?(通学)

A:はい。これまで年に1~2名の学生が、在学中(とくに専門ゼミ期間中)に留学をしています。希望に応じて個別に、英語文献中心の指導をします。

どんなところに就職をしていますか?(通学)

A:人それぞれ、です。先輩方は、おおよそ自分が希望する業種、業界に就職をしています。先輩方とのつながりやネットワークを利用して、OG/OB訪問をし、就職を有利に進めている学生もいます。就職については個別に相談に乗っています。

どんな卒業論文を書くのでしょうか?

A: とくに重視しているのは、以下の7点です。既存の枠組みにとらわれず、常に新しい挑戦をしていただきたいです。

  1. 「問題設定」「目的」が明確であること(社会的に意義があり、個人的な興味とも合致する課題、問いを扱うこと)。
  2. 先行研究や先行事例を踏まえること(自身の研究との共通点、自身の研究の位置づけを示す)。
  3.  「データ」「エビデンス」「評価」が明確、所定の研究方法に基づき、測定可能なこと(所定の研究方法に基づき、自身で取得したデータ、根拠に基づいていること)。
  4. 先入観を排し、信頼できるデータを示すこと(できる限り「公平」で「客観的」で、第三者が了解可能なデータを示し、考察を行う)
  5. 目的、先行研究、研究方法、結果、考察が一貫していること。
  6. 論文の読み手の存在を忘れず、研究の成果を分かりやすく伝える努力をすること。
  7. やっていて楽しい、大学生活の集大成となる内容。

スクーリングはありますか?(eスクール)

A:基本的にBBSでのやりとりが中心で、必要に応じてSkype等を用います。2014年以度降は、5月、6月、7月、10月、11月、12月の第4土曜日前後に、「対面ゼミ」と呼ぶ催しを早稲田キャンパスで行っています。参加は任意です。

また、8月末~9月上旬の週末(土日)に、通学生と合同の合宿を行います。参加は任意ですが、活動を促進するために、できるだけ参加いただきたいと思います。

社会人や、他大学からの受け入れを行っていますか?(大学院)

受け入れています。 ただし、出願にあたっては、必ず個別に相談してください。 入試要項の詳細は、大学公式情報を参照してください。